SSブログ

トライアスロンへの道26 [トライアスロンへの道]

*これは市民ランナーがロングトライアスロンを完走するまでの回送日記です。





スイミングスクールでは3回手をかいて1回呼吸をする練習をしていたが、
実際に海で泳いでみるとそんなきれいな息継ぎなど出来ないことが判明した。

まず波があるのでプールのように鼻と口だけ出せば息を吸える状況ではなく
かなり大きく顔を回して完全に顔が出るくらいじゃないとまともな呼吸は出来ない。

そうなると、呼吸するにも利き手みたいなものがあり
私の場合右側でしか呼吸は出来なくなっていた。


したがって終始2回かいて1回呼吸をするの繰り返しで
スピードは出ないし泳ぐ方向も気がつくとあらぬ方向へ向いていた。

とはいえ、少しずつではあるが前に進んでいるのは確かで
最初の折り返しであるブイに近付いてきた。

プールでも曲がり方はちょっとだけ習ったが、
大会では90度以上に曲がらなくてはならないため
ここでかなりのスタミナをロスしたような気がする。


そんな折り返しを曲がった辺りでは初心者用の大会で
最下位争いをした女の子を見つけた。

彼女は私より少し水泳は速かったがこの大会の中では
ほぼ同じレベルになるので一瞬目が合うと「どうも!」と言って
その後はお互いマイペースでゴールを目指すだけだった。




そんな後半に入るとさすがに疲れが表れてきた。

それまでの練習で2000mを休まず泳いだのは3回だが、
いずれもプールでの練習だし自分で数えたので正確かどうかも分からない。

しかし、ウェットスーツの威力は有難かった。


トライアスロン用のウエットスーツは種類にもよるが
手足のゴムが厚く出来ているのでかなりの浮力はある。

浮力があるということは初心者の課題でもある
体を浮かせるための努力は必要なくなる。

ということは極端に言うと、ただ単に腕を回しているだけで
泳げてしまうとも言えるのでズルい気もするがこれはあくまで
安全上のために着用が義務付けられているのだ。

もちろん本当に泳ぎが速い人はウエットスーツが邪魔になる人もいるし、
大会によっては海でもウエットスーツを着てはいけない場合もある。


そんな魔法のウエットスーツに守られながら泳ぎ続け
やっとスイムのゴールが見えてきた。

沖の方と比べると水温が変わってきたのが解り、
再びクラゲの大群をかき分けながらゴールに向かった。




スイムのゴールでは実は立ち上がるタイミングが難しかったりする。

周りの選手を見ると立ち上がっているので
もう立てるのかなと泳ぎをやめるとまだ足が着かない場所だったり
普通に泳いでいると水深が50㎝くらいのところだったりする。

更に「やっと着いた」と思って足を着くと急に体が重く感じてしまう。

今までウエットスーツの浮力を感じてフワフワ泳いでいたので
宇宙から帰ってきたような重力を感じてしまう。
もちろん宇宙に行ったことはありませんが…


スイムからバイク、バイクからマラソンに移る途中のエリアを
トライアスロンでは「トランジションエリア」と呼んでいる。

この場所で着替えをしたり用具の片付け・セッティングを行い、
その間もタイムは引き続き経過しているので早く次の競技に移る必要がある。


海から上がってきた私はそのままシャワーがある場所まで
重く感じる体で軽くジョギングしながらたどり着いた。

そしてウエットスーツを脱ぎ始めた時、
私はそこで信じられないことをやってしまったのだ。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。